患者との関係

【現役理学療法士が解説】理学療法士は患者を覚えているのか?

  • 理学療法士は昔の患者のこと覚えてるのかな
  • 久しぶりに病院に行く予定があるけど、忘れられてたら嫌だなー
  • 理学療法士の人に何て声かけたら良いのかな

こんな疑問を解決します。

あなたは昔お世話になった理学療法士に会いたいと思っているけど、「もしかして忘れられていたら…」という不安な気持ちもあるでしょう。

本記事では現役理学療法士の視点から、患者さんのことをどれくらい覚えているのかを解説します。

また、話しかけるときのポイントまで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【現役理学療法士が解説】理学療法士は患者を覚えている?

理学療法士は、担当した患者さんのことをだいたい覚えています。しかし、全ての患者さんを完璧に記憶しているわけではありません。

なぜなら、理学療法士は常に新しい患者さんを担当しており、人間である以上、時間の経過とともに記憶が薄れることもあるから。

例えば、小学校や中学校の同級生のことを考えてみてください。

卒業以来会っていない人のことは、どうしても記憶が曖昧になってしまうことがありますよね。理学療法士と患者さんの関係も、これと同じです。

理学療法士も担当したからといって、全ての患者さんのことを覚えているわけではありません。

つまり、理学療法士があなたのことを覚えているかどうかは、実際に会ってみないと分かりません。

理学療法士の記憶に残りやすい患者さんの特徴とは?

理学療法士がいつまでもはっきりと覚えている患者さんには、いくつかの共通点があります。

印象に残るような特徴や経験が、記憶を強化して覚えてしまうためです。

時間が経ってもすぐに思い出せたり、覚えているような患者さんは以下のような人たち。

  1. クセが強い患者さん
  2. リハビリに苦労した患者さん
  3. 楽しくリハビリができた患者さん
  4. リハビリに意欲的な患者さん

それぞれ解説していきます。

1.クセが強い患者さん

クセが強かった患者さんのことは何年経っても覚えています。なぜなら、そのクセがあることでとても苦労することが多いから。

例えば、私が過去に経験した患者でクセが強かった人にこのような人がいました。

  • 男性嫌いで担当を女性にしろという親父患者
  • 自分の思うようにならないと杖で叩いてくる婆ちゃん患者
  • 何かとプライベートなことを聞いてきてノートにまとめていた女性患者
  • リハビリの時間が終わるギリギリになって「ここ揉んで」という患者


このように「わがまま」だったり他の看護師や介護士のスタッフにも迷惑をかけていたような患者は悪い意味で覚えられています。

このような人は担当でなくても、覚えられているケースが多いでしょう。

2.リハビリに苦労した患者さん

リハビリをする上で難しかったり、家庭環境に問題があるような患者も覚えています。

難題に関して考えたり、他のスタッフに相談したりとその患者のことを考える時間が長くなるから。

例えば、私は認知症があり人形を両手に抱えている患者を担当した経験があります。歩行訓練のために人形を横に置こうとすると噛みついてくる人でした。

また、家族は絶対家に連れて帰ると言うが、リハビリには非協力的。

歩くリハビリもできない。けど、家に帰るためには歩かないといけないし、自宅の中は段差だらけで車椅子は入らない。

玄関も昇らないといけないという課題もあってめちゃくちゃ苦労しました。その人の社会的背景を含めてリハビリが難しい場合もよく覚えられています。

3.楽しくリハビリを行えた患者

楽しくリハビリできた患者さんも良く覚えています。

今までお伝えしたようにリハビリで苦労するケースは、結構多くあります。そのため、楽しくリハビリできた患者のことは覚えています。

リハビリでは、幅広い年代の患者を担当します。面白い話をする患者や勉強になる話をしてくれる患者。

リハビリをしていて楽しいとよりしっかりと記憶に刻まれているはず。

理学療法士も毎回リハビリが「楽しみだな」と感じている患者さんと「嫌だな」と感じている患者さんとがいるのは本音です。

あなたが理学療法士と楽しくリハビリができていたなら、覚えられているでしょう。

4.リハビリに意欲的な患者

リハビリを頑張っていた患者も良く覚えています.

頑張っていると理学療法士も治療をしながらちゃんと結果を出したい。助けたいと思うから。

「リハビリなんだから、誰でも頑張るでしょ」と思うかもしれないけど、そんなことはありません。

実際に「マッサージしてくれれば良い」「痛いところだけ触って」と言う人は、意外と多いですよ。

そして、治らなければ理学療法士のリハビリのせいにしてくる患者さんもいます。

そんな中、理学療法士の意見も聞いてくれてリハビリを頑張ってくれる人は、しっかりと記憶しています。

あなたもリハビリを頑張っていたなら、ちゃんと覚えてくれています。

このような特徴を持つ患者さんは、理学療法士の記憶に深く刻まれており覚えられています。。

理学療法士が覚えていない可能性が高い患者さんとは?

一方で、理学療法士が覚えていない可能性が高い患者さんの特徴もあります。

これは、関わる時間や深さが記憶の定着に大きく影響するためです。以下のような人は、覚えられていない可能性があります。

  • 短期間しか担当していない患者さん
  • 一時的なフォローのみを行った患者さん

1.短期間しか担当していない患者

担当の期間が短かった場合は、正直すぐに忘れてしまいます。担当が減れば新しい患者を、また担当することになるからです。

担当してもすぐに、違う病院や病棟に変わったりしたケースの患者を、いつまでも覚えている理学療法士は少ないでしょう。

担当している期間が短いと覚えられていないと思っておきましょう。

2.一時的なフォローをした患者

担当の理学療法士が休みで、代わりに入った程度であれば覚えていません。

理学療法士それぞれに担当がおり、他の患者まで覚え続けるのは難しいためです。

入院中の患者さんなら理学療法士は、顔も名前も把握しています。しかし、フォロー程度で関わった過去の患者さんのことまでずっと覚えている理学療法士はいません。

よっぽど、印象が強い患者であれば覚えていますが。

ほとんどの場合、忘れてしまっています。つまり、理学療法士との関わりが浅かった場合は、覚えられていないでしょう。

自分のことを覚えているかな。。。少し不安だな。と感じるなら、以下のポイントに気をつけると良いよ!

理学療法士を困らせない話かける時の2つのポイント

過去の患者さんとの再会は理学療法士にとって決して迷惑ではありません。しかし、急に話しかけられて顔は覚えていてもパッと名前が出てこないときもあります。

そのため、以下の2点を配慮してくれると理学療法士も助かります。

  1. 情報をサラっと伝える
  2. 忙しくない時間に話しかける

1.情報をサラッと伝える

「〇〇で入院していたときにお世話になった△△です」とサラっと情報を伝えてくるとすぐに思い出せます。

このちょっとした情報だけで、記憶が曖昧だった場合はすぐに思い出せます。もし、リハビリを受けていたのが、数年前なら上記のような言い方をすると良いでしょう。

ちゃんと理学療法士が覚えていたなら「そんなの分かってるよ」「もちろん、覚えているよ」と笑顔で返事してくれるはずです。

2.忙しくない時間に話しかける

理学療法士が急いでいる様子のときは避け、落ち着いたタイミングで話かけてもらえると助かります。

忙しいときや急いでいるときは、なかなか思い出せません。それに、話しかけられても「あー。覚えてますよ。元気ですか?」など当たり障りのない会話しかできません。

せっかく、話す機会があったならもう少しゆっくり話したいですよね。お互いのためにも、忙しくない時間帯を見計らって声をかけましょう。

このポイントを押さえることで、理学療法士との再会をより良いものにできます。

理学療法士は患者を覚えているかについてのまとめ

理学療法士は多くの患者さんと関わる中で、特に印象に残る方々のことを大切に記憶しています。

あなたが熱心にリハビリに取り組んだり、楽しい会話を交わしたりした経験があれば、きっと覚えていてくれる可能性は高いでしょう。

たとえ、完璧に覚えていなくても、あなたの元気な姿を見せてくれれば理学療法士にとっても嬉しい出来事です。

上記のポイントを意識しながら、気軽に声をかけてみてはいかがでしょうか?きっと、久しぶりに会えて良かったと思えるはずです。